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em Academic Research Repository at Institute of Developing Economies


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本稿では,ベトナムの障害者の「生計」(「はじめに」参照)の成り立ちについて,タインホア省平野部に位置するひとつの社(農村部における末端の行政単位,行政村)で実施した事例研究に基づいて考察した。障害者問題への取り組みにおいては,「医療モデル(個人モデル)」と「社会モデル」が存在する。本稿ではこの「社会モデル」を参考に,ベトナムの障害者の生計の成り立ちを,当事者と当事者を取り巻く行為主体を含む環境との「関係性(relationship)」という観点から考察した。その主な結論は以下の通りである。今回調査対象とした障害者の生計は,主として調査対象者本人,「非公的主体」(特に家族),「公的主体」によって支えられている。なかでも調査対象者の生計を支えるうえで「非公的主体」(特に家族)の機能・役割が大きく,直接的なケアを含めて幅広く障害者の生計を支えている。他方,「公的主体」は扶助金支給など,物的側面の整備で機能・役割を果たしている。これら主体間の「関係性」は,障害者の生計の質を決める大きな要因となっていると考えられる。