開発戦略としてのPro-Poor Growth -貧困層への雇用創出-


Autoria(s): 栗原, 充代; 山形, 辰史
Data(s)

08/06/2007

08/06/2007

01/11/2003

Resumo

本稿は、後発開発途上国においてpro-poor growthを達成する開発戦略を、産業政策との関連から研究したものである。アジアとアフリカの経済発展プロセスにおいて、貧困層にどの産業が雇用機会を提供するか、を研究した。その結果明らかになったのは、1970-90年代の典型的な東アジア高成長経済であるタイと台湾において、貧困層に最も大きな雇用機会を与えたのが農業部門であったのに対して、貧困層の雇用機会増に最も貢献したのが製造業部門であったということである。同様の傾向は、アフリカの輸出指向成長国であるモーリシャスについても観察された。一方、グローバリゼーションの活力が十分に生かされなかったマラウィ、南アフリカ、インドにおいては、製造業が同様の雇用機会を貧困層に提供できなかった。結論として導かれるのは、典型的な後発発展途上国においては、雇用に関して農業のシェアが製造業のシェアを上回るのが一般的であるものの、もし比較優位がグローバリゼーションの中で顕在化できるのであれば、貧困層の雇用機会増に関して、農業よりも製造業の貢献度が大きくなりうる、ということである。一国全体の経済発展という観点のみならず、貧困層に利益をもたらすpro-poor growthという文脈においても、製造業の果たす役割が無視し得ないことが明らかになった。

Formato

2770524 bytes

application/pdf

Identificador

国際開発研究 12.2 (2003.11): 3-28

http://hdl.handle.net/2344/583

国際開発研究

12

2

3

28

Idioma(s)

ja

jpn

Publicador

国際開発学会

Fonte

国際開発研究 12.2 (2003.11): 3-28、国際開発学会

Palavras-Chave #Pro-poor growth #開発戦略 #雇用 #タイ #台湾 #モーリシャス #南アフリカ共和国 #マラウィ #インド #東アジア #発展途上国 #貧困 #経済成長 #経済政策 #開発政策 #製造業 #Development strategies #Employment #Thailand #Taiwan #Mauritius #South Africa #Malawi #India #East Asia #Developing countries #Poverty #Economic growth #Economic policy #Development policy #Manufacturing industries #333 #331.87 #AE East Asia 東アジア #AECH Taiwan 台湾 #AHTH Thailand タイ #ASII India インド #C Developing countries 発展途上国 #FSMF Mauritius モーリシャス #FSMW Malawi マラウィ #FSSA South Africa 南アフリカ共和国 #O14 - Industrialization; Manufacturing and Service Industries; Choice of Technology #O15 - Human Resources; #O57 - Comparative Studies of Countries #339.1
Tipo

Article

Journal Article