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em Academic Research Repository at Institute of Developing Economies


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第二次大戦時に大量のユダヤ人避難民を受け入れたイスラエルは、1946年の建国時には共産主義的な社会改革思想に基づくキブツ運動などの左翼的思潮を国家建設の支柱にしていたが、その後の政治過程のなかで一貫して右傾化の方向をたどり、現在では国際的にみても最も保守的な軍事主義的思想傾向が国民のあいだで広く共有され、国内のアラブ系住民の経済的従属が永く固定化するに至った。現在のイスラエル国家を思想的にも実体経済的にも支えている基本的な理念は、建国時のそれとは全く対極的な新保守主義とグローバル化された「新自由主義」的な資本主義であり、それは当然ながら国内における安価な労働力としてのアラブ系住民の存在を所与の前提条件として組み込んでいる。これは具体的にどのような経緯によるものであり、またイスラエル国家のどのような性格から導き出されるものなのか。本論稿では政治的シオニズムがイスラエル建国後から現在までにたどってきた思想的な系譜を改めて確認し、現在のイスラエルが国際的に置かれている特異な立場とその背後にある諸要因を説明する。