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em Academic Research Repository at Institute of Developing Economies


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1998年12月5日、台湾で行われた「三合一」選挙は、2000年の総統選挙の前哨戦として位置づけられている。同選挙は、与党国民党が全般的に安定した得票数を確保し、民進党が若干の議席を失う一方で、事実上、「キャスティング・ボート」の役割を果たした新党の勢力が大幅に勢力を後退するという結果になった。だが、民進党について言えば、台北市長選で破れた陳水扁の得票結果 に示されるように、必ずしもその支持基盤が弱くなったわけではない。来る総統選挙では、国民党と民進党の党内情勢や、総統・副総統候補者の組み合わせ如何によっ ては、いずれの党から総統が誕生してもおかしくない微妙な状況にある。なお、民進党が政権与党となることを警戒している中国は、国民党が「三合一」選挙で勝利をおさめたことにたいして、一定の肯定的評価を下した。また、選挙直前の1998年10月に開始された中台交流における中国側の厚遇の態度は、国民党を間接的に後押しする意味合いがあったとも考えられる。台湾では「台湾独立」を支持する人々はごく少数で、8割以上の住民が、「現状維持」を望んでおり、これはアメリカの三不政策発表や、台湾での選挙以降も変化していない。また、最近、民進党においても「台湾の将来は、台湾の住民自身が決めるべきだが、台湾は既に事実上独立しており、 敢えて独立を宣言する必要もない」といった考え方が優勢である。だが、国民党主流派の姿勢が、「独立綱領」を掲げる民進党の穏健派の政治的スタンスと似ていることや、台湾の独立にもつながりかねない「弾性外交」を支持するという点で一致していることなどから、依然として中国の台湾にたいする疑念は消えていない。