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em Academic Research Repository at Institute of Developing Economies


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本章では「政策評価」の利用状況を通じて開発途上国の財政におけるアカウンタビリティの問題を考えてみたい。アカウンタビリティは「良いガバナンス」の重要な構成要素であるが、選挙を通じた為政者の国民による審査機会が限定されていること、政策担当者と国民の間での情報の格差、それに選挙によらない官僚機構の存在という要因が財政問題でのアカウンタビリティの保障を難しくしている。これらの問題に対しては、議会による予算の審議、会計検査、政策評価など、様々な手段が工夫されている。しかし現状では決定的な方法がないのが現状である。開発援助の分野では先進国で対途上国援助に関する政策評価が行われるようになっているが、概して援助供与国国民へのアカウンタビリティが重視され、援助の最終的な受益者である途上国国民の視点が意外に考慮されていない、という問題がある。先進国以外のアジア諸国でも「政策評価」の諸制度が導入されているが、現実には国民に対する説明責任の保障よりは、政府内部の統制の手段、あるいは政府の正統性を国民に承認させる手段という性格が強い。政策評価が実質的に機能するためには権力の分立や政府を監視する様々なアクターの存在が不可欠である。