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em Academic Research Repository at Institute of Developing Economies


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メコン地域では,1990年代からインフラ整備を中心に広域開発事業が行われてきた。多くの国が関心を寄せ相次いで開発枠組みを提唱した結果,メコン地域では現在複数の広域開発協力枠組みが重複しながら併存している。こうした状況を,先行研究は相互調整が不十分なまま関係国が利益を追求した帰結として説明してきた。その理解に基づき関係諸国の広域開発戦略を整理した文献も多いが,各国の地域外交分析に終始するものが多い。本稿はメコン広域開発をめぐる国際関係構造を俯瞰して重層的な協力枠組み成立の条件を探ることを目指し,視座として「ヘッジ戦略」概念を援用した。ヘッジ戦略とは,先行き不透明な国際環境の下でリスク回避のために本来相反する「包摂・関与」と「封じ込め・均衡」という2つの戦略を併用する外交行動を指す。本稿では,1990年代を通じ不透明な国際環境下にあったメコン地域で主に中小国が相互にヘッジ戦略を展開した結果,現在ある重層的な協力枠組みが構築されたという仮説に基づき,各国の地域枠組みの背景を探る。