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em Academic Research Repository at Institute of Developing Economies


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イランのアパレル産業は,就労者数10人未満の中小・零細企業が圧倒的多数を占め,産業全体の零細性がきわだっている。従来企業同士の連携が希薄で,とりわけ生産から流通へ至る垂直的な関係がほとんど発展しないという傾向をもち続けてきた。こうした「低組織化」された状態のアパレル製造企業群は,2000年代以降政府の貿易政策の転換によって大量の輸入製品流入に直面した。一時はあたかもイランのアパレル市場が中国製品に席巻され「壊滅」したかのような報道もなされたが,実態は異なっていた。じつは,これまでアパレル生産に従事していた独立の零細資本の一部が,生産と流通の分野の垣根を跳び越え,みずからがバイヤーに転身して,めざましい発展を遂げる中国の「専業市場」から大量のアパレル製品をイラン市場に持ち込んでいる。リスク分散のため多角化する傾向の強いイランの零細資本は,参入・撤退の自由度が高い「市場」型の生産・流通スタイルを好むが,このニーズに中国の専業市場が応えるかたちで,先進国主導型のものとは異なるタイプのグローバリゼーションが進行している。