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em Academic Research Repository at Institute of Developing Economies


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インド独立以降、近年に至るまでのインドとアフリカの関係は、概観すると政治・イデオロギー次元から、アフリカ諸国の独立と解放、冷戦の終結をへて、経済次元にそのアジェンダがシフトしてきた。そして経済次元が重要となるプロセスは、インドが経済自由化に転換し、一方、南アフリカがアパルトヘイト体制を廃棄し民主化を進めたことにより、1990年代前半に両国が国際的な自由経済システムに復帰することでさらに加速された。そのような中で多国間の協力関係を定めるフレームワーク創設の必要性が意識された結果、出てきたのが環インド洋地域協力連合であった。しかし、これはルースな協議体であり、利害関係が多様な環インド洋諸国の協議体としては成果を上げていない。それに対して参加国数を3 カ国に限定したインド・ブラジル・南アフリカ対話フォーラムは一定の進展を見せている。現在、インド政府にとって重要性が高いのはエネルギー資源外交である。この分野はアジア新興国の中国や韓国と激しく競合する場であり、その特色は各国のソフト・パワーよりも経済力などのハード・パワーの方が影響力が大きいという点である。このようなトレンドを見ると、今後のインド・アフリカ関係でより重要になるのは2国間関係であると思われる。この点に関していうと、インドがアフリカの地域大国である南アフリカと比較的に密接な関係を維持していることは重要なポイントであろう。しかし注意すべきはそのような密接性は南アフリカにおけるインド人コミュニティの存在といったソフト・パワー資源に必ずしもよるものではないという点である。より重要な結合要因は両地域大国の経済関係であり、戦略的関係であろう。