第3章 タイにおける条約の国会承認: 2007年憲法とその問題点
Data(s) |
24/03/2011
24/03/2011
01/03/2010
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Resumo |
本稿では、2007年憲法による条約締結のための制度が成立した背景を概観する。そして、2007年憲法に基づく条約の国会承認過程が、どのような状況をもたらしているのかについて、基本的情報を整理する。2007年憲法は、「CEO首相」と称したタクシンのトップダウン型意思決定による対外政策を否定し、国民の代表である国会の審査を透徹させる事を目指していた。そのために国会承認条約の定義を拡大し、強い首相と弱い議会の力関係を司法が裁定者として調整する規定を設けた。しかしながら、2007年憲法による国会承認条約の定義は非常に広く、そのことが実務官僚の間に混乱をもたらしている。官僚らは憲法裁の違憲判決を恐れてほぼすべての条約案を議会に提出するようになり、膨大な条約案の審査とそのための準備は、官僚ばかりでなく議員にとっても大きな負担となっている。2009年には、議会で第190条の修正を含む憲法改正案が提出されたが、連立与党間の政治的駆け引きにより、反対多数で否決された。190条の定義をいかに具体化し、国際関係を運営する上で効率性と民主的統治のバランスをどうとっていくのか、今後の動向が注視される 2009年度調査研究報告書 |
Identificador |
『タイの立法過程とその変容』今泉慎也編、千葉、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2010年、37-52ページ http://hdl.handle.net/2344/1005 タイの立法過程とその変容 37 52 |
Idioma(s) |
ja jpn |
Publicador |
日本貿易振興機構アジア経済研究所 Institute of Developing Economies, JETRO |
Palavras-Chave | #タイ #立法 #憲法 #国会 #条約 #国会承認条約 #2007憲法 #320 #AHTH Thailand タイ |
Tipo |
Book chapter Book |