国際公共財としての感染症対策


Autoria(s): 山形, 辰史
Data(s)

09/05/2007

09/05/2007

01/02/2005

Resumo

HIV/AIDS、SARS、鳥インフルエンザといった新興感染症、薬剤耐性を持った病原体の出現によって問題が深刻化している結核、マラリア等再興感染症への関心が世界で高まっている。感染症の予防や治療はそれを個人に施すことのプラスの効果が国境を超えてスピル・オーバーすることが多く、国際公共財としての性質を持っている。また、新薬・ワクチンの成分・製法に関する情報および、感染症の流行に関する情報は典型的な公共財であり、誰しもがフリー・ライドするインセンティブを持っている。したがって、これら公共財の過少供給の問題を解決するためには国際的な協調行動が必要である。  世界の感染症対策は、感染がより大規模に広まっている発展途上国を中心としたものにならざるを得ない。現在これをリードしているのはアメリカであり、日本はWHOへの出資については存在感を示しているものの、それ以外の機関への出資や二国間協力の面において、少なくとも今現在においては貢献度が大きいと見られていない。また、新薬・ワクチン開発については日本の財政的な面での貢献は全く目立たない。  国際的な感染症対策に関する日本の印象を高めるためには、沖縄感染症イニシアティブの際になされたような形で金銭的貢献度を再び高める、あるいは、国際的に必要と考えられているものの他国が協力を決めていない分野への貢献をいち早く宣言する、等の対応が考えられる。

Formato

587682 bytes

application/pdf

Identificador

フィナンシャル・レビュー 75 (2005.2): 171-191

http://hdl.handle.net/2344/553

フィナンシャル・レビュー

75

171

191

Idioma(s)

ja

jpn

Publicador

財務省財務総合政策研究所

Fonte

フィナンシャル・レビュー 75 (2005.2): 171-191、財務省財務総合政策研究所

The definitive version is available at http://www.mof.go.jp/f-review/r75/r75_171_191.pdf

Palavras-Chave #感染症 #国際公共財 #HIV #エイズ #SARS #鳥インフルエンザ #結核 #マラリア #疾病 #公衆衛生 #国際協力 #Infectious diseases #International public goods #HIV/AIDS #Avian influenza #Tuberculosis #Malaria #Diseases #Public health #International cooperation #333.8 #493.8 #AEJA Japan 日本 #C Developing countries 発展途上国 #H41 - Public Goods #H87 - International Fiscal Issues; #I19 - Other #361.1
Tipo

Article

Journal Article